介護保険とは
介護保険とは
40歳以上の方全員が被保険者(保険加入者)となり保険料を負担し、介護が必要と認定されたとき、費用の一部(原則10%)を支払って介護サービスを利用する制度です。
被保険者とは
40歳以上の方全員が被保険者です。 40歳以上65歳未満の方を第2号被保険者、65歳以上の方を第1号被保険者といいます。
介護サービスを利用できる方
65歳以上の方(第1号被保険者)は、介護や支援が必要と認定されたときにサービスを利用できます。 40歳以上65歳未満の方(第2号被保険者)は、特定の疾病が原因で介護や支援が必要と認定されたときにサービスを利用できます。
世田谷区の場合
介護保険の住宅改修については、平成15年4月より世田谷区は独自サービスとして、当初被保険者本人が住宅改修事業者に対象費用の1割分を払い、申請後支給される9割分の受領を改修事業者に委任する「受領委任」制度を開始します。
受領委任には被保険者本人と改修事業者双方の同意が必要となります。
住宅改修の前に ケアマネージャーとの連携が必要です
被保険者本人はまずケアマネージャーに相談し、住宅改修の必要な個所について話し合います。 ケアマネージャーに相談せず工事をした結果、申請が不支給となりトラブルが発生するケースが起きていますのでご注意ください。
また、被保険者本人の改修履歴や受給資格などは、住宅改修費の支給額や受領委任に影響を与えます。 必ずケアマネージャーと連携を取ってください。
保健申請を意識して 書類を作成してください
世田谷区から支給されるのは、介護保険制度対象部分の金額の9割分となります。 対象部分の把握を誤ると、予定していた金額よりも少ない支給となる場合が有ります。
施工内容が介護保険に該当するか、ケアマネージャーと十分に確認して下さい。
申請から支給決定
介護保険対象工事ではない工事が計算されていたときや、被保険者本人に支給履歴があって減額された場合、予定していた金額と支給金額が相違することがあります。
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支給対象
- 介護保険対象の住宅改修の着工日時点で区の要介護又は要支援の認定を受けいている被保険者の方。
- 介護保険被保険者証に記載の住宅であること。(施設入所者は除く)
- 新築または増築(新たに居室を設ける等)の場合は、支給対象外です。
その他被保険者本人が用意する 添付書類(参考)
承諾書
住宅の所有者が被保険者本人ではない場合に必要です(家族の場合も必要になります)所有者に記名・押印して頂きます。 都営住宅や都公社等の場合は、独自の承認書を発行しているので、それをしようして下さい。
理由書
被保険者本人を担当するケアマネージャーが作成します。 ケアマネージャーがいない場合などの場合は、区の職員が作成しますので、管轄の保健福祉センターにご相談ください。
注意事項
被保険者本人や家族に住宅改修を依頼された個人が、受領委任払いを利用することはできません。 対象となるのは改修事業者のみとなります。
1つの住宅において、1人の被保険者本人が利用可能な金額は20万円です。 過去に支給を受けている場合は、その額を申請額より控除して計算します。
なお、最初の改修時より八日以後が3段階以上上がった場合は再度20万円の支給が 可能です。 支給の履歴等については、必ずケアマネージャーに確認して下さい。
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自己負担額の計算方法 例1
自己負担額の計算方法 例2 「給付対象工事が20万円を越える場合の計算」
住宅改修の上限額は20万円となっています。 給付対象工事であっても、20万円を超える部分については申請できません。
自己負担額の計算方法 例3 「過去に支給履歴がある場合の計算方法」
住宅改修の上限額は20万円ですが、過去に住宅改修の支給を受けていれば、それを上限額から除いて考える必要があります。(支給履歴については家族かケアマネージャーにご確認ください)
16万円の給付対象工事を過去に行っている場合、その後は20万-16万=4万円分だけが支給対象になります。 4万円以内の工事なら全額対象ですが、4万円を越える部分は被保険者本人に支払ってもらう必要があります。
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対象となる住宅改修の種類
手すりの取り付け
廊下、便所、浴室、玄関、玄関から道路までの通路等に転倒予防、もしくは移動又は移乗動作に資することを目的として設置されるもの
段差の解消
居室、廊下、便所、浴室、玄関等の各室間の床の段差及び玄関から道路までの 通路等の段差を解消する為の住宅改修、具体的には敷居を低くする、スロープを 設置する、浴室の床のかさ上げ等
滑りの防止及び、移動の円滑化等のための床または通路面の素材変更
居室の畳敷からフローリング、ビニール系床材等への変更、浴室の床材の滑りにくいものへの変更、通路面に滑りにくい舗装材への変更等
引き戸等への扉の取替え
開き戸を引き戸、折戸、アコーディオンカーテン等に取り替える等の扉全体の取り替え、ドアノブの変更、戸車の設置等(自動ドアの動力部分は対象外です)
洋式便器等への便器の取替え
和式便器から洋式便器への取替え(ウォシュレット機能付きも可)、便器の高さ変更の為の洋式便器の取替え(ウォシュレット機能等の付加は対象外)
※ 非水洗便器の水洗化、あるいは簡易水洗化の工事は対象外です。
その他以上の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
- 手すり取り付けの為の壁の下地補強
- 浴室の床の段差解消(床のかさ上げ)に伴う給排水設備工事
- 床材変更の為の下地の補強や根太の補強又は通路面の素材変更の為の路盤整備
- 扉の取替えに伴う壁、又は柱の改修工事
- 便器の取替えに伴う給排水設備工事(水洗化工事は除く)便器の取替えに伴う床材の変更
手続きの方法
相談
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)が相談にあたり、改修費内容等検討の上、改修事業者との打ち合わせや調整を行います。(費用はかかりません)
- 居住サービスを利用していないなど相談できる介護支援専門員がいない場合、保健福祉センターにご相談ください。
- 生活保護者受給者は、申請手続きが若干異なります。 介護支援専門員・保健福祉センター生活支援課ケースワーカーにご相談ください。
住宅改修の理由書作成
- 本人の心身の状況及び日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況等を総合的に勘案し、必要な住宅改修の工事種別とその選定理由を記載します。
- 理由書の作成は介護支援専門員です。
※自ら設計・施工を行わないにもかかわらず、住宅改修工事を請負、工事事業者に下請けさせたり、仲介・紹介料を徴収することはできません。
工事・支払い
- 理由書に基づいて改修事業者が工事を行います。
- 工事費を改修事業者に支払い、領収書を受け取ります。
償還払いの場合 ・・・ 介護保険対象工事費の全額を支払う。
受領委任払いの場合 ・・・ 介護保険対象工事の1割を支払う。
申請
- 工事完了後、下記の書類を揃えて、本人の住所地を担当する保健福祉センターへ申請してください。(郵送も可)
住宅改修費 支給申請書 |
印鑑が必要です。 |
委任状(申請書裏面) |
受領委任等本人口座以外への振込みを希望する場合は1の申請所と同一印を押印してください。 |
被保険者証 |
資格確認のため提示してください。 郵送の場合不要です。 |
領収書 |
宛名は本人あてに性格に。 事業者印・領収日が必要です。 本人や家族が改修した場合は材料費のみ申請できます。 |
工事内約書
(別紙参考書式参照) |
対象の工事課所、内容規模を明記し、材料費、施工費、諸経費が適切に記載されていること。 |
住宅改修理由書 |
介護支援専門員等が作成したものです。 |
完成後の状態を 確認できる書類等 |
改修個所ごとの改修前後の写真/日付入りのものでデジタルカメラやカラーコピーも可。
※ できれば図面の添付が望ましい。 |
住宅改修承諾書 |
住宅の所持者が本人以外の場合に必要です。
家族や親族の所有で賃貸関係が結ばれていない場合は簡略様式を使用できます。
※ 公営住宅等で、管理者独自の承認書等があれば、これに代えることができます。 |
住宅改修費計算書 |
受領委任の場合、施工業者が作成します。 |
支給
- 申請内容を審査し、改修工事の内容が介護保険給付の対象であると認められると、支給決定通知書をお送りし、住宅改修費を指定の口座に振込みます。
- 受領委任払いの場合、改修事業者に支給決定内容を通知します。
判定は6段階に分類されます (要介護区分ごとの状態像の例) |
要支援 |
日常生活を遂行する能力は基本的にあるが、浴槽の出入りなどに一部介助が必要。 |
要介護1 |
立ち上がりや歩行などに不安定さがみられることが多い。 排泄や入浴などに一部介助が必要。 |
要介護2 |
立ち上がりや歩行など自力ではできない場合が多い。 排泄や入浴などに一部介助または全介助が必要。 |
要介護3 |
立ち上がりや歩行など自力ではできない。 排泄や入浴、衣服の着脱などに全面的な介助が必要。 |
要介護4 |
日常生活を遂行する能力はかなり低下しており、排泄や入浴、衣服の着脱などに全面的な介助、食事摂取に一部介助が必要。 |
要介護5 |
日常生活を遂行する能力は著しく低下しており、生活全般にわたって全面的な介助が必要。 |
※ 介護保険の給付限度額は、要介護度に応じて決められます。
ただし、『自立』と判定されたときは保険給付はありません。
介護保険住宅改修工事施工例
手すり取り付け工事
施工前
この浴室は、床壁共タイル貼りで、滑りやすくつかまるところがありません。 |
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施工後
タテの手すりは、洗い場から浴槽に入る時、横の手すりは、浴槽から立ち上がる時のためです。 水廻りであることも考慮して、手すりは樹脂製です。 |
施工前
玄関の土間から床までが高く、スロープをつけるスペースもありません。 |
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施工後
玄関の上がり降りの補助として、手すりを設けました。 |
手すりを取り付ける場合の注意点
手すりは、高さや手すりの長さ大きさなど被保険者の体の状況が大きく関与します。 通常、床から80センチの高さにつけるようになっていますが、必ずしも決まりがあるわけではありません。
できれば被保険者に立ち会ってもらうか、被保険者の状況をよくわかっている方に、取り付け前の打ち合わせに参加して頂けると本当に被保険者のためになる工事が行えます。
施工者もそのあたりをよく考慮すべきで、健康な人の考えだけで取り付けては、せっかくの工事が無駄になってしまいます。
浴室は樹脂製の手すりが良い
TOTOなどが出しているバスルーム関連の商品に着いている手すりなど、浴室に使う手すりには、おもに樹脂製の商品を使います。 腐らないし、手に優しいからです。 樹脂製でもグリップのあるものと無いものが有ります。 浴室以外では、木製(手に優しい)、外部では樹脂かステンレス製(腐らない)です。
浴室リフォームのご参考にTOTOバスルーム回り商品へ
段差解消工事
施工前
トイレ入り口の段差。 |
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施工前
沓刷り(くつずり)といって、扉下にある水平材。 床の仕上が変わる場合や、段差がある場合の見切り材、戸当りの役目をしているものも有ります。 これが脚に引っかかってしまいます。 |
施工前
段差が4センチもあります。 |
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施工後
沓刷りを撤去しました。 そこには、穴ができるので木で埋めています。 |
段差解消工事の注意点
この工事の場合、傷ができたり、うまくできない場合もあるので、施工業者とよく相談してください。
スロープ取り付け
施工前
玄関扉下の段差。 車椅子の走行が困難。 |
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施工後
簡易式のスロープ板。 取り外しが可能になっている。 この場合は、車椅子を自力で走行しない場合です。 |
スロープ取り付けの注意点
本当のスロープは、かなりゆるい勾配になるので、とても広いスペースが必要になります。
引き戸に取替え
施工前
リピング入り口の引き戸。 ノブを回すことや、開閉の時に支障がありました。 |
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施工後
引き戸に変更。 開閉が楽になり、間口が広くなりました。 |
施工前
同上。 |
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施工後
場所はトイレです。 |
引き戸への取替え工事の注意点
この工事の場合、廊下側に引き戸を取り付けたので、廊下が多少狭くなっています。
介護保険住宅改修とリフォームを同時に行った例
ここで紹介する写真は、足の弱い方のために床の段差を解消し、円滑な床材に仕上げること、手するを設けることを目的とする介護保険と浴室老朽化を直す為のリフォームを一体化させた工事です。
当然工事費は、介護保険工事の助成額(20万円)を超えています。(自己負担分の計算方法の例2をご参照ください)
こういった工事は、工務店及びケアマネージャーの方とよく相談してください。
施工前
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施工前
その段差は、約10センチ。 |
施工後
廊下と同じフローリングにして段差をなくしました。 これでスムーズに移動でき、お掃除も楽になりました。 また、この工事の際、床下の不具合も点検の上補修しています。 |
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施工前
廊下と洗面所の段差。 浴室の入り口が約7センチ上がっています。 |
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施工後
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施工前
浴室は、さらに約14センチ下がっています。 |
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施工後
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浴室・洗面所
浴室は、ユニットバスを設置。 洗面所との段差を解消。 最近のユニットバスは、ほとんどがバリアフリー商品です。 手すりも取り付けています。
浴室をリフォームすると普段の生活では分からなかった、土台の腐敗や柱の悪いところも直せるというメリットがあります。
施工前
床下・洗面所・浴室は段差だらけです。 浴室内のタイルにひびが入り、冬寒い浴室でした。 |
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施工後
床の段差も解消し、要所に手すりも取り付けられました。 ユニットバスだけでなく洗面所の化粧台やクロスも替えて、快適な空間になりました。 介護保険とリフォームが一体化した成功例です。 |
此方も一緒にご覧下さい >> 浴室リフォームのご提案
その他にも住まいについての疑問、困ってる事など何でもご相談下さい。
皆さんのお立ち寄りを心よりお待ちしております!
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